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「おい、何をしている」


その声で目が覚めた。
頭痛がする。
正直起き上がれそうになかったのだけれど、それでも私は残り 少ないであろう体力を振り絞って目を開けた。

目の前に映ったのは、水色のエプロンドレスに身を包んだ少女 だった。
可愛らしい容姿と栗色の長い髪。

だけど、少女は可愛らしい外見にそぐなわない位のゴツイ銃を両 手に握りしめている。


「へ?あ・・・え?」
「何をしている、と聞いているんだ」


まるで天使のような少女に不似合いな返り血と銃。
それがこの世界に訪れた私が最初に目にした光景だった。

 

――――Bad Alice!! 第一章「森の中」――――






私の名前は、朝森祐希(あさもり ゆうき)。
人口の多く空気の澱んでいる都会の隅っこにある小さなアパー トに独り住まいをしている会社員だ。
記憶が正しければ、私は確か仕事から帰ってきて、帰り道で寄 ったコンビニで購入したスイーツの入った袋を大切そうに持って自分が借りている部屋へと階段を登っていたはず。
それから…どうしたんだっけ?覚えていない。
だけれど私は確実にあともう少しで家に帰り着くというところまでは行っていた。

それなのに。

私が目を覚ましたのは穏やかな風が吹き抜ける緑色の森の中 。
木々のあいだから差し込む太陽の光が暖かくて思わず夢かと思 ってしまう。


「あっ、これ夢か」


ぽんと手を打つ。
だけれど納得できない点がひとつだけ。
私、いつの間に寝たんだろ。


「何を馬鹿なことを」


冷たい声が私に降ってきた。
上を見上げると、相変わらず無表情であの美少女が目の前に立 っている。
これまた相変わらずごっつい銃を持ったままで。

いや、ひとつだけ違うところがある。
それ銃口が私に向けられているということ。

って冷静に分析してる場合じゃない!
早く土下座でもして命乞いしなきゃ・・・!


「寝言は寝てから言うんだな」
「うわぁあぁあ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!許して ください!私何もしてません!何もできません!ただのしがない 会社員なんです、何も悪いことしてません!お母さんお父さんご めんなさいもういい子にするからお願い助けて私死んじゃうっ!」


ジャキッ、と彼女の持つ銃が鳴ると同時に私は弾丸トークを始め ていた。
24歳にもなって両親に助けを求めるとは我ながら恥ずかしい。


「・・・・・」
「ほんっとごめんなさい!マジごめんなさい!今すぐ消えますから命だけはぁあぁあ!」
「・・・・・・・・・・・・・うるさい」
「はいっごめんなさい!」


美少女はゆっくりと私に向けていた銃口をおろした。
ほっと胸をなで下ろす。
何とか殺すのは考え直してくれたらしい。

その時、美少女の背後にある草むらが揺れた。


「!」
「ひぃっ!」


思わず悲鳴を上げる。
少女ですらこんな恐ろしい武器を持っているのだ。
さらに現れる人間はもっと恐ろしいものを持ってるに違いない。
こう・・・・金棒とか。


「いたぞ!アイツだ!」


草むらから現れたのは何やら危なさそうな長い槍を構えたカラフ ルな兵隊(っぽい人)たち。
金棒ほど危なくはないけれどそれでも十分相手を傷つけるには使えるアイテムだ。


「チッ・・・もう来やがったか」


少女は持っていた銃を兵隊(っぽい人)たちに向けて、引き金を引いた。
パァン、と小気味良い音と、衝撃により地響きのような音が聞こえる。
私は思わず自分の耳を目を覆って蹲った。
本能がそうさせた。
だって怖い!

数分後。
私は突然、肩を叩かれた。


「あの・・・大丈夫ですか?」


降ってきたのは優しそうな声だった。
恐る恐る目を開くと、そこには些か軽そうな兵隊の服を着た…女性?
長い髪を揺らし、長い睫毛が覗く。
やっぱり女性のようだ。


「大丈夫ですか?」


彼女は、もう一度繰り返す。
流石にだんまりを続けていると相手の気分を害すかもしれないので(断っておくと残念ながらこの女性も何やら一際危なさそうな槍を構えている。大人しそうだからといって油断は禁物だ)とりあえずこくこくと頷いておいた。


「そうですか、良かった…」


彼女はほっとしたようにそう頷き、にこりと笑う。
何だか女神のような微笑むだった。


「ここら辺では見ないお顔ですね…どこからいらしたんですか?」


女性は槍を背負いながら私にそう問いかけてくる。
私は乾いてしまった喉に鞭を打ち何とか喋ろうとするけれど、声は出なかった。
視界の端に、血の海に沈む死体が見える。
多分あれも・・・女性だ。


「お疲れで声が出ないのかしら。ここらじゃ見ない服装ですし・・・長旅でもしていらっしゃったのね。すぐに休める場所へお連れしましょう。・・・・安心してください、わたくしは貴方に危害を加えたりは致しません」


女性は私の顔色を伺うようにして一度しゃがんで、もう一度立ち上がった。
そして背後にいる兵隊さんに声をかける。


「馬車を呼んで頂戴。なるべく急いでね」


命令された兵隊さんは「はっ!」と挨拶をしながら森の奥(出口)へと小走りで向かっていった。
その背後を見送ってから女性は何かを思い出したのか、ぽんと両手を合わせて「あぁ、そうだわ」と呟く。
そして腰に下げてあった水筒のようなものを私に差し出してきた。


「どうかこれをお飲みになって?」
「こ・・・れ、は」
「紅茶ですわ。大丈夫、毒などは入っておりません。わたくしの好みに合わせてしまっているので少し甘めですけれど・・・」


知らない人からものを貰ってはいけません。
幼稚園の頃先生に散々言われたそんな言葉が蘇ったが、結局喉の渇きに勝てなかった私はそれを受け取り、一口飲んでみた。

確かに少々甘めだったけれど、美味しい。
私は思わず喉を鳴らしてその紅茶を一気に飲む。

その間、女性は口元に手を当ててやんちゃな子供を見守るかのように「あらあら」なんて言っていた。


「っぷはぁ・・・」
「ふふ。随分喉が乾いていらっしゃったのね。どうです?幾分かマシになりました?」
「え、あ、はい。すいません、全部飲んじゃいました」
「構いませんわ。どうせこれからお城に帰るところですし」
「はぁ・・・」


ぬん?今この人、”お城”って言わなかったか?


「あの、」
「なんでしょう?」
「今、あなた・・・お城って」
「えぇ。言いましたわ」


こくん、と当たり前のように頷く女性。
相変わらずおっとりとした優しそうな顔をしている。


「ご存知ありませんか?ここから丁度お見えになるでしょう?あの大きな建物が、我らが女王の住まうお城ですわ」

 

――――――――――――――――――――――――――――


何やら高そうな馬車に乗せられて到着したのは、何やらもんのすごい高そうな・・・というか、かなり縦に高い建物だった。
本当に、童話やらおとぎ話やらに出てきそうなそれこそ”お城”だ。


「ほわぁ・・・凄い・・・」
「新鮮な反応ですわね。貴方のお国にはお城は無いんですか?」
「こんな洋風なお城ないですよ!お寺とか御殿とか、あったとしてもこんな王宮みたいなのじゃないです・・・!あれ、でも天皇陛下のお家はこんな感じなのかな・・・」
「・・・?」


女性は微笑んだまま疑問符を浮かべている。
とってもチャーミングだ。


「よくわかりませんけれど、この国は"来るもの拒まず"がモットーですの。わたくし達は貴方様のお越しを心より歓迎致しますわ」


そう言って案内されたのは巨大な扉。
なんかもう、これまでに見たことのないもんのすごい装飾が施されている。
しかもすんごいピッカピカで、鏡のようになっていた。


「この先には女王様がいらっしゃいます。我らは訪れる方々を歓迎するのを心情としていますが、あくまでもこの先におられるのはこの国の頂点に立つお方です。どうか失礼のないよう、お願い申し上げますわ」
「は、はい・・・」


そんなこと言われると緊張する・・・!
ぎぃいぃぃ、と音を立てて巨大な扉が開かれた。

広い広いその部屋の中央には巨大な玉座…そしてそこにはいかにも女王様チックな女性が妖艶に足を組んで座っていたのだった。







―――――――――後書き――――――――――――

即発ネタごめんなさい。
一応小説なんですけれど・・・。

なんかすっごい長くなりそうです。
キャラクターの詳細とかはこれからどんどん明かされていくはずです。

それよりも単発ネタでどこまでいけるか挑戦です
何やってんだ受験生ェ・・・!

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珊瑚
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性別:
非公開
職業:
学生生活絶賛満喫中。
趣味:
描くこと、歌うこと、書くこと。
自己紹介:
北海道在住、お人好し、バカ、人外生物。
好きなものはアニメ、映画その他諸々。芸能人には疎い。
最近のブームはやっとこさ弄れるようになったデジタルでのお絵かきと新しく創作したオリジ小説執筆。
人との触れ合いが好きだけど苦手。
食い物くれたり褒めたり話しかけたりすると簡単に懐きます。
騙されても騙されたことに気付くことができない。
知らない人に「お菓子あげるよ」って言われてついて行きそうになるタイプ。
※安易に食べ物を与えないでください。ついてきます。
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